カワルガワルワタシ
カフェとの出会い
試しに縁に立ってみた。風がすごく強かった。力を抜くと今にも落ちてしまいそうなくらいだった。
私、佐倉芽依は高校生になってまだ3ヶ月。そう、まだ3ヶ月、なのに私は屋上の縁に立ち、強い風を横から受けていた。どこからか楽器の音が聞こえた。金管楽器だ。本当なら私は、音を聞く側ではなく、奏でる側だ。でも部活に行くのも二度としたくないと、あの日から思うようになった。下を見た途端急に怖くなった。急いで縁から降りて、しゃがみ込んだ。私は臆病者だ。
どうして自殺をしようなんて考えたのか、そんなの説明してたらキリがない。ただ誰も私を必要としてくれない人生に呆れただけだ。父親はDV男で、昔っから私を殴っては叫んで、ストレスを根っから私にぶつけるようなやつだった。それに懲りた母親は、男を連れ、男に連れていかれ、毎晩のようにお酒を飲んでは男に抱かれ、浮気をしまくっていた。それが2年後ぐらいにバレ(なぜ今までバレなかったのかすごく不思議に思う。)、やがて2人は別れ、私を捨ててそれぞれの好きな道に進んだ。最後に2人と喋ったのは2人が家を出ていく直前、私を誰が引き取るかで軽く揉めた時だった。もちろんどっちも引き取るなんて考えもしてないらしく、終いには「お前いらねーんだよな」と父親がぼそっと言った。私は下手くそな笑顔を浮かべて、放っておいていいよと言った。今は母親が同情で買ってくれたボロアパートに住んでいる。友達はとうてい出来たことがない。もちろん彼氏だって。好きな人ができたことはあるけど、こっぴどく振られて終わった。「お前連れて歩いてたら俺が馬鹿にされるからもう近づくんな、気持ちわりぃ。」って。
こんな人生を過ごしているのは私だけかもしれないと思う度、辛くて苦しくて、辞めたくなる。でも死ぬのは怖くて、結局次の日を迎えている。もう懲り懲りだ。空を見上げてみた。夕日が綺麗だった。でも私の人生はもっともっと闇なんだろうなって、こんな綺麗だったらいいなって思った。空を見続けた。すると、空から紙が降ってきた...。
んん?
紙?空から?なぜ?強い風に煽られ、左右に大きく揺れている。紙がすぐそこまで降りてきた。そして私よりちょっと後に落ちた。気になったからその場に行って、紙を見てみた。そこには、手書きの地図と、“あなたのためになるから来た方がいいですよ”と書かれていた。地図はこの辺の地図で、目的地は通学路にある路地裏だった。空はオレンジ色だった。何があるのかわからないけど、どうせ生きてる心地のない人生だから、行ってみるだけ行ってみようと思った。私は立ち上がって大きく伸びをして、紙を片手に屋上の扉に手をかけた。
私、佐倉芽依は高校生になってまだ3ヶ月。そう、まだ3ヶ月、なのに私は屋上の縁に立ち、強い風を横から受けていた。どこからか楽器の音が聞こえた。金管楽器だ。本当なら私は、音を聞く側ではなく、奏でる側だ。でも部活に行くのも二度としたくないと、あの日から思うようになった。下を見た途端急に怖くなった。急いで縁から降りて、しゃがみ込んだ。私は臆病者だ。
どうして自殺をしようなんて考えたのか、そんなの説明してたらキリがない。ただ誰も私を必要としてくれない人生に呆れただけだ。父親はDV男で、昔っから私を殴っては叫んで、ストレスを根っから私にぶつけるようなやつだった。それに懲りた母親は、男を連れ、男に連れていかれ、毎晩のようにお酒を飲んでは男に抱かれ、浮気をしまくっていた。それが2年後ぐらいにバレ(なぜ今までバレなかったのかすごく不思議に思う。)、やがて2人は別れ、私を捨ててそれぞれの好きな道に進んだ。最後に2人と喋ったのは2人が家を出ていく直前、私を誰が引き取るかで軽く揉めた時だった。もちろんどっちも引き取るなんて考えもしてないらしく、終いには「お前いらねーんだよな」と父親がぼそっと言った。私は下手くそな笑顔を浮かべて、放っておいていいよと言った。今は母親が同情で買ってくれたボロアパートに住んでいる。友達はとうてい出来たことがない。もちろん彼氏だって。好きな人ができたことはあるけど、こっぴどく振られて終わった。「お前連れて歩いてたら俺が馬鹿にされるからもう近づくんな、気持ちわりぃ。」って。
こんな人生を過ごしているのは私だけかもしれないと思う度、辛くて苦しくて、辞めたくなる。でも死ぬのは怖くて、結局次の日を迎えている。もう懲り懲りだ。空を見上げてみた。夕日が綺麗だった。でも私の人生はもっともっと闇なんだろうなって、こんな綺麗だったらいいなって思った。空を見続けた。すると、空から紙が降ってきた...。
んん?
紙?空から?なぜ?強い風に煽られ、左右に大きく揺れている。紙がすぐそこまで降りてきた。そして私よりちょっと後に落ちた。気になったからその場に行って、紙を見てみた。そこには、手書きの地図と、“あなたのためになるから来た方がいいですよ”と書かれていた。地図はこの辺の地図で、目的地は通学路にある路地裏だった。空はオレンジ色だった。何があるのかわからないけど、どうせ生きてる心地のない人生だから、行ってみるだけ行ってみようと思った。私は立ち上がって大きく伸びをして、紙を片手に屋上の扉に手をかけた。