優しい音を奏でて…
2人で静かにお茶を飲み終えると、ゆうくんが立ち上がった。
バイオリンを取り出し、調弦していく。
調弦を終えると、ひとつ深呼吸をして、演奏を始めた。
愛の讃歌
バイオリンの音色に心を揺さぶられる。
……… これは、ゆうくんの想いだ。
ゆうくんの心が伝わる。
私の自惚れじゃない。
ゆうくんからの愛の告白。
ありがとう………
演奏を終えたゆうくんが近づいて来て、バイオリンを置くと、右手で私の目元を拭った。
「奏、愛してる。
ずっと、奏だけを想ってた。」
そう言って、ゆうくんは、私の肩を抱き寄せ、優しく包み込んでくれた。