優しい音を奏でて…

演奏後、私は着替えてゆうくんの隣に座った。

「何か飲む?」

ゆうくんが尋ねてくれるけど、私は無言のまま首を横に振った。

「じゃあ、帰ろ?」

立ち上がったゆうくんに続いて私も立ち上がる。


控え室から荷物を取ってくると、ゆうくんの左手が伸びて来て、荷物を持ってくれた。

ゆうくんの右手が私の肩を抱いて、歩き出した。

っ!?
肩っ!!

でも……
このまま、こうしていたい。


ゆうくんの温もりが心地よくて、私はそのまま寄り添って歩いていた。


「………

最後の『愛の夢』…

良かったよ。

ありがとう。」


私の想い、伝わったのかな?




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