優しい音を奏でて…

12月22日(土)

私からゆうくんにメッセージを送った。

『こんにちは(^◇^)
晩ご飯、作るけど、一緒に食べる?』

『行く!』


ふふっ。
返信が早い。


『じゃあ、18時頃、来てね』

私が送信ボタンを押すと同時に玄関のチャイムが鳴った。


─── ピンポーン ♪


は!?

分かってはいたが、モニターを確認すると、そこにはやはり、ゆうくんの姿。

私は、玄関を開ける。

そこには、にこにこ満面の笑みをたたえるゆうくん。

「早い!!」

私が怒って言うと、

「いいじゃん。
会いたかったし。」

と、全く悪びれた様子はない。

「お邪魔しまーす。」

私の横をすり抜けて、私より先に部屋に上がる。

私が慌てて戻ると、

「今日の晩ご飯、何?」

ご機嫌のゆうくんは、しっぽをパタパタ振って懐いてくる仔犬みたい。

仔犬にしては、かなり大きいけど。





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