優しい音を奏でて…
1年後、大学を卒業したら、ゆうくんは恭子と帰ってくる。
私は、内心、恭子がいくら頑張っても、ゆうくんが恭子を選ぶ事はないと思っていた。
それは、ある意味、確信だった。
だけど、違った。
ずっと東京で一緒だった2人は、私の知らないところで、距離を縮めていたのかもしれない。
2人が帰ってきたら、どうしよう。
また、みんなで遊びに行ったり、呑みに行ったり、平気な顔して出来るかな?
誕生日に1人ベッドで泣き腫らした私は、東京で就職することを決意した。
そして、大学を卒業すると、東京で大手のコンピュータ販売会社にSEとして就職したのだった。