優しい音を奏でて…
・:*:・:・:・:*:・
─── OK銀行 社員食堂 ───
「久しぶり。」
ゆうくんが微笑んでくれた。
「…うん。久しぶり。」
私も微笑み返した…つもりだが、上手く笑えていたか自信がない。
「西田さん、
こちら田崎優音(たさき ゆうと)くん。
同級生なんです。」
「へぇ〜!! そうなんだぁ!
そういう偶然って、あるんだね〜。」
西田さんは目を丸くして驚いていた。
「そっか。
ゆうくん、OK銀行に就職したって
聞いてたけど、本社だったんだね。」
私が言うと、
「うん。
今、5階の市場金融部ってとこにいる。
奏は? 東京にいるんじゃなかった?」
ゆうくんは、まるで小学生の頃に戻ったように、ずっと仲良しだったかのように、普通に話してくれた。
「今年の春、帰って来たの。
で、今日からここの別館3階でパート勤務。」
「パート? 結婚したの?」
ゆうくんは、驚いて目を見開いた。
「ふふっ
違うよ。
無職じゃ、家賃も払えないから、とりあえず、
つなぎで半年間パートなの。」
ふふっ
やっぱりパートは主婦がするイメージなんだ。
そう思うと、なんだかちょっと笑えた。
「そうなんだ。
もっと話したいけど、俺、もう時間だから
行かなきゃ。
奏は、いつも昼休み、この時間?」
「今週は12時40分から40分なんだって。
一週間交代で、来週は12時からって言ってた。」
「そっか。
じゃあ、また会えるといいな。
お先に。」
「うん。またね」
私がそう言うと、ゆうくんは私の隣の西田さんに軽く会釈をして、空になったお盆を持って返却口へと去って行った。
中学でさらに背が伸びた ゆうくんは、大学生の頃から変わってなければ、身長180センチ位。
混み合う社員食堂の行列を頭ひとつ飛び出してすり抜けて行った。
ゆうくんは、私の事、どう思っただろう?
ゆうくん、また会えるかな?
─── OK銀行 社員食堂 ───
「久しぶり。」
ゆうくんが微笑んでくれた。
「…うん。久しぶり。」
私も微笑み返した…つもりだが、上手く笑えていたか自信がない。
「西田さん、
こちら田崎優音(たさき ゆうと)くん。
同級生なんです。」
「へぇ〜!! そうなんだぁ!
そういう偶然って、あるんだね〜。」
西田さんは目を丸くして驚いていた。
「そっか。
ゆうくん、OK銀行に就職したって
聞いてたけど、本社だったんだね。」
私が言うと、
「うん。
今、5階の市場金融部ってとこにいる。
奏は? 東京にいるんじゃなかった?」
ゆうくんは、まるで小学生の頃に戻ったように、ずっと仲良しだったかのように、普通に話してくれた。
「今年の春、帰って来たの。
で、今日からここの別館3階でパート勤務。」
「パート? 結婚したの?」
ゆうくんは、驚いて目を見開いた。
「ふふっ
違うよ。
無職じゃ、家賃も払えないから、とりあえず、
つなぎで半年間パートなの。」
ふふっ
やっぱりパートは主婦がするイメージなんだ。
そう思うと、なんだかちょっと笑えた。
「そうなんだ。
もっと話したいけど、俺、もう時間だから
行かなきゃ。
奏は、いつも昼休み、この時間?」
「今週は12時40分から40分なんだって。
一週間交代で、来週は12時からって言ってた。」
「そっか。
じゃあ、また会えるといいな。
お先に。」
「うん。またね」
私がそう言うと、ゆうくんは私の隣の西田さんに軽く会釈をして、空になったお盆を持って返却口へと去って行った。
中学でさらに背が伸びた ゆうくんは、大学生の頃から変わってなければ、身長180センチ位。
混み合う社員食堂の行列を頭ひとつ飛び出してすり抜けて行った。
ゆうくんは、私の事、どう思っただろう?
ゆうくん、また会えるかな?