優しい音を奏でて…
1年後 2月14日(金) 19時。
今、父と歩いている。
目の前には、ゆうくん。
父の手を離れて、ゆうくんの前に一歩、踏み出す。
私は、28歳の誕生日の今日、田崎 奏(たさきかなで)になった。
私はこの先、一生、誕生日が来るたびに、この幸せな気持ちを思い出すに違いない。
ゆうくん、だいすき。
私のこと、好きになってくれて、ありがとう。
好きって、伝えてくれて、ありがとう。
誕生日を好きにさせてくれて、ありがとう。
─── Fin. ───