ダドリー夫妻の朝と夜
エミリアは、縦横無尽に己の内を外を這い回るアーサーに、健気に応えようとした。
どうすれば正解なのかは、さっぱりわからなかったけれど、やがてアーサーの動きが止まり、荒く大きな息をついたとき、彼は微笑んでくれた。
その顔を見る人がいれば、エミリアでなくても彼が笑っていることがわかっただろう。それくらい、はっきりとした笑みを彼が浮かべるのは奇跡的だった。
「わたくし、アーサーさまに、もっと笑っていてほしいわ」
エミリアがそう呟くと、途端にアーサーは鉄面皮に戻った。代わりのようにエミリアが、頬をほころばせる。
「でも、ほかの方に、そのお顔をみせてほしくないの」
下がったエミリアの眉毛を、アーサーがそっとなぞる。
「そう難しいことではない。君の隣で、わたしが笑えばいいだけだ」
「どうしたら、笑ってくださる?」
「君がわたしを愛してくれれば」
「そんなこと……ひと目お会いしたときから……ずっと、そうでしたのに……」
中途半端に開いたまま止まったエミリアの唇に、アーサーは誓いのキスを落とす。
何を彼が誓ったのかを聞かぬうちに、エミリアは深い眠りに落ちていた。
* * *
どうすれば正解なのかは、さっぱりわからなかったけれど、やがてアーサーの動きが止まり、荒く大きな息をついたとき、彼は微笑んでくれた。
その顔を見る人がいれば、エミリアでなくても彼が笑っていることがわかっただろう。それくらい、はっきりとした笑みを彼が浮かべるのは奇跡的だった。
「わたくし、アーサーさまに、もっと笑っていてほしいわ」
エミリアがそう呟くと、途端にアーサーは鉄面皮に戻った。代わりのようにエミリアが、頬をほころばせる。
「でも、ほかの方に、そのお顔をみせてほしくないの」
下がったエミリアの眉毛を、アーサーがそっとなぞる。
「そう難しいことではない。君の隣で、わたしが笑えばいいだけだ」
「どうしたら、笑ってくださる?」
「君がわたしを愛してくれれば」
「そんなこと……ひと目お会いしたときから……ずっと、そうでしたのに……」
中途半端に開いたまま止まったエミリアの唇に、アーサーは誓いのキスを落とす。
何を彼が誓ったのかを聞かぬうちに、エミリアは深い眠りに落ちていた。
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