ダドリー夫妻の朝と夜
「……おいしい」
「そう」
アーサーは片腕で体を支えると、もう片方の手でエミリアのふわふわとしたストロベリー・ブロンドを弄んだ。
それから、その髪にキスを落とす。
思わずエミリアが凝視してしまうと、ゆっくりと視線を上げ、蠱惑的にエミリアを見返す。
急いでエミリアは、紅茶に集中しようとした。朝から見るには、アーサーは刺激が強すぎる。
それなのにアーサーは、エミリアの髪を掻き上げて耳を露わにし、そこに息を吹き込むほどの近さで囁いてくる。
「どうして、目をそらす?」
「だって、近すぎますわ」
「なるほど。わたしと君が朝会うのには、朝食室のテーブル越しの距離でないといけないということか」
「まさか。あれは、遠すぎるとずっと思っていましたのに」
思いがけず吐露してしまった本音に、あっとエミリアは声を上げ、ティーカップの水面がちゃぷんと跳ねた。
「遠すぎる?」
「ええ……あなたはそう思わなくて?」
「いや、君の言う通りだ」
まさに今の距離が遠いとでも言うようにアーサーはエミリアに近づき、豊かな髪に隠れる肩を露わにした。
「そう」
アーサーは片腕で体を支えると、もう片方の手でエミリアのふわふわとしたストロベリー・ブロンドを弄んだ。
それから、その髪にキスを落とす。
思わずエミリアが凝視してしまうと、ゆっくりと視線を上げ、蠱惑的にエミリアを見返す。
急いでエミリアは、紅茶に集中しようとした。朝から見るには、アーサーは刺激が強すぎる。
それなのにアーサーは、エミリアの髪を掻き上げて耳を露わにし、そこに息を吹き込むほどの近さで囁いてくる。
「どうして、目をそらす?」
「だって、近すぎますわ」
「なるほど。わたしと君が朝会うのには、朝食室のテーブル越しの距離でないといけないということか」
「まさか。あれは、遠すぎるとずっと思っていましたのに」
思いがけず吐露してしまった本音に、あっとエミリアは声を上げ、ティーカップの水面がちゃぷんと跳ねた。
「遠すぎる?」
「ええ……あなたはそう思わなくて?」
「いや、君の言う通りだ」
まさに今の距離が遠いとでも言うようにアーサーはエミリアに近づき、豊かな髪に隠れる肩を露わにした。