ダドリー夫妻の朝と夜
少食の妻のために、スコーンやケーキ、パンを様々に、肉料理も冷たいものと温かいもの、魚料理や異国の米料理など用意させていたが、今朝妻が口にしたのは、マフィンを少々とオムレツを少し、それからたっぷりの紅茶であるようだった。
自身は外出に備えて旺盛な食欲を見せながら、アーサーは先程の違和感を探る。
「それで、ミセス・マーヴィンがおっしゃるには……」
かわいらしい妻のさえずりを聞きながらアーサーは内心、眉をしかめた。
なぜだか今朝は、妻と目が合わない。
いつもならば、既に数十回は若葉色の煌めきを見せてくれていても良いはずであった。
しかし今朝ときたら、妻がアーサーの顔をしっかりと見返してくれたのは、朝食室に迎え入れたときのみだ。まったく不愉快なことである。
外側をカリッと焦がしたベーコンを切り刻むためにアーサーがうつむくと、妻がこちらを見ている気がした。
しかし、顔を上げればするりと逸らされる。
アーサーが、ゴブレットに手を伸ばす。
やはり妻の視線を感じたような気がして目を向ければ、今度はあからさまに逸らされてしまった。
一体なんだと言うのだ。
自身は外出に備えて旺盛な食欲を見せながら、アーサーは先程の違和感を探る。
「それで、ミセス・マーヴィンがおっしゃるには……」
かわいらしい妻のさえずりを聞きながらアーサーは内心、眉をしかめた。
なぜだか今朝は、妻と目が合わない。
いつもならば、既に数十回は若葉色の煌めきを見せてくれていても良いはずであった。
しかし今朝ときたら、妻がアーサーの顔をしっかりと見返してくれたのは、朝食室に迎え入れたときのみだ。まったく不愉快なことである。
外側をカリッと焦がしたベーコンを切り刻むためにアーサーがうつむくと、妻がこちらを見ている気がした。
しかし、顔を上げればするりと逸らされる。
アーサーが、ゴブレットに手を伸ばす。
やはり妻の視線を感じたような気がして目を向ければ、今度はあからさまに逸らされてしまった。
一体なんだと言うのだ。