ライアー
4
侑side


島崎さんに解放された身体を清めてベッドに入った深夜1時。

鬱陶しく鳴り響く電話は無視しようと思った。

おそらく島崎さんからだと思うし、この時間なら寝てましたっつっても怒られることはないだろう。


…うるせー。どんだけ無視してもかけてきやがる。電源を落としてやろうと携帯に手を伸ばすと『高木詩乃』からだった。


いつもならLINEで済ませるところをわざわざ電話してくるなんて。
しかも、こんな時間に。

島崎さん以上に面倒な相手かもしれない。

高飛車でわがままで高慢ちき。

女友達もいなければ、
逆に男にモテるって話も聞かねーかわいそうなやつ。

どうせたいした用でもないだろうに、と思いながらも携帯に手が伸びてしまっていた。

「あと5分待って!」


謎にブチ切りされたのち再度かかって来た電話。


結局なにが言いたいのかもはっきりとしなかったけど、少しだけ救われたような気になった。


お金が稼げればなんでもいい、だなんてまるで俺のこと見透かしたみたいなこと言って。

どうせ、何にも考えてないんだろーけど。
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