ライアー
「なに女々しいこと抜かしてんだよ
お前いつからそんなに奥手になったんだ?」



女々しいって一応私も女なんですけど、

そのイライラをぶつけるように不味い酒を煽る。



「もう遊びじゃないの。私もう29なのよ。
子供だって欲しいし、そりゃ慎重になるわ。」



メニューを流し見ながら答える。
焼酎が飲みたいけど、結構酒に強いはずの私はそれだけには弱い。


初めて飲んだ時、べらぼうに酔ってしまってあれもない失態を侑に晒してしまった。


立てなくなるとか記憶をなくすとか、そんな可愛いもんじゃない。そんなのどこぞの恋愛小説の中だけだ。


嘔吐。好きな人の前で。
ていうか、吐かされた。

酔いが回ってずっと気持ち悪い、気持ち悪いって言ってたら、腕を引かれてトイレに連れてかれた。


羞恥を感じると共に、本当に恋愛対象として見られていないんだなとショックだった。
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