見つめていたい


片平さんと靴入れの影から顔をのぞかせ、辺りを見回した。

……・・・・・……

「みんな行ったみたいね」

「さっきの…あれって、私のこと?」

「…残念ながら…そーとーすごかったよ、特に女子達、さっきの流星くんの聞いてた?まさしくあんな感じで、ジェラシーってやつ!?、う~ん…そんな感じ…」

ジェラシーか…

無理もないよね、彼は渡部くんの時からモテモテだったから…

そうだよ、私なんかが一緒にいたら、何を言われるかわからないし、だから…

だから私、彼のことをいつも遠くから見てた。

…ふふ、たとえ近くにいても、相手にされないいだろうけど…

……だけど、今の話を聞いて、もう少し頑張ろうって思って


だって柚木くん、『彼女いるわけねーしっ』て、はっきり言ってたの聞こえたから…

「愛原さん?、ねえ、愛原さん…」

「ん?…なぁに?」

「早く教室いこッ!、あたし達最後みたい、遅刻しちゃう!」

「え!?ち、ちこく!…ま、待ってよッ!片平さん!」

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