見つめていたい
片平さんをはじめ、クラスの子達とも話せるようになり、やはり話題といえば彼氏のこと
ポカポカ陽気のある日、中庭のベンチでお昼を食べていた時のことだった。
「聞いて聞いて!みきぴょんに彼氏できたんだって」
「ほんと!…3組の吉田くんでしょ?」
「なんだ、バレバレじゃん」
「だってあのふたり一緒にいたところ見たことあるし、そーいえばこの頃みきぴょんめっちゃ可愛くなってない?」
「確かに…あ~あたしも可愛くなりたい」
「朱音は、いるの?好きな人」
「あたしはぜんぜん…本命は柚木くんだけどね…」
「ぷふぁはははッ、だーめ!ムリムリ 」
「ムリッ?そんな最初から決めつけないで」
「だって…柚木くんは、もういるみたいだし」
『えーーーッ!!!』
柚木くんに彼女……
「胡桃は誰なの?」
「私!?…」
私は3年間、ずっと、渡部くんの時から、柚木くんだけ…
「柚木くんのことが好き…」
「おう!大胆発言!なんだ、ふたりとも柚木くんかぁ…」
「そうゆー恵美は誰よ、あなたもまさか…」
「ジャーン!柚木くん!」
「なんだ、みんな一緒じゃない」
「あふれるほど男子がいるのに…結局は柚木くん?!」
『あははは…』
……
『もういるみたいよ』
柚木くんに…彼女が?…
……
今までいなかった方がおかしいよね…
何か心にポッカリ穴があいたような気分になってしまった。