見つめていたい
放課後…
「あの!…流星くん?」
帰ろうとしていた流星くんを呼び止めた。
「なに?胡桃ちゃん」
「流星くんに…お願いがあるの、ちょっといいかなぁ」
流星くんと廊下の端っこに寄り、話を聞いてもらうことに
「俺にお願い?…もしかして、デート!?…胡桃ちゃんだったら喜んで…」
「りゅうせい…くん!…もうふざけてばかりなんだから!」
「じょうだん!…」
「…あのね、じつは…」
ノートのことを伝えると、流星くんは真剣に聞いてくれた。
「これをカズマに?…持って行ってあげたいけど、俺、今日からバイト入ってて、かなり遅くなるから…」
「そっか…しかたない…ありがとう、ごめんね…それじゃあ」
どうしよう、あと、頼めそうな人いないし…
「胡桃ちゃん!」
流星くんが追いかけてきた。
「これ、カズマの住所…胡桃ちゃん、悪いけどあいつんちに持って行ってくれない?」
流星くんは自分のスマホを私に差し出した、そこには、一真の名前で連絡先住所が画面に表示されていた。
「でも…勝手に柚木くんに断りも無しでは…」
「ははッ、胡桃ちゃんて、かたいね、そういう真面目なところも好きだけど…てゆーかさ、俺たち友達じゃん、カズマもそう思ってるから…いいのいいの、早く移して、俺、時間ないし…」
「そ、それじゃあ…」
私は自分のスマホに柚木くんのデータを移した。
「じゃあ、胡桃ちゃん、よろしく!」
「ありがとう 流星くん 」
柚木くんのデータが私のスマホに入った。