見つめていたい



…k-u llouvmei@ codomo.ne.jp

…080 123456・・

・・県・・区東ヶ丘 町 1-5-3

あとはこの住所を頼りに…

ーーーーーー

着いた…

カツン カツン と階段に靴の音が響く、ゆっくり上がって行くと、ドアの郵便受けに【 YUZUKI】と書いてあるのが見えた。

ここだ!?…アパートの207号が柚木くんの家だ。


『 ピン ポン! 』

……


『 ピン ポン! 』

……

誰も出ない…


「こんにちは!誰かいませんか~?…」

「こんにちは~!柚木くん!」

ドアノブに手を触れていると、ゆっくり回転し始めた

「誰か……カチャ…」

ゆっくりとドアが開いた。


「柚木くん」

「愛原…」

出てきたのは、パジャマ姿のままの柚木くんだった。

「あ、あの!ご、ごめんなさい…風邪引いてるのに、起こしてしまって…あ、あの、これを渡しに来ただけで…はい!」

授業の内容を写したノートを彼に手渡そうとした。

柚木くんの手はノートをそれて、彼が私に倒れかかってきたのだ。

「ゆ、柚木くん!!だ、大丈夫!?」

私に寄りかかり、なんとか立っている感じの柚木くん、よく見ると彼の顔は真っ赤になっている。

「…わりぃ…ちょっと、フラフラするだけだから…」

「家の人は?」

「おふくろ、けど…明日の朝まで仕事…」

え?…看病する人がいないの?

「ごめんね…ちょっと熱を…」

柚木くんのおでこに手の平で触れると

「熱い!…すごい熱だよ!…起きたらダメだよ、早く中に入ろ!」

私は柚木くんを支えて、彼の部屋へ一緒に入り、とりあえず彼をベッドへ寝かせた。

私が起こしてしまったばかりに…まったく、何をしてるの、バカバカバカ…それよりも早く冷やさなくちゃ

水枕と氷のうの氷も、溶けて水になっていた。

新しく氷を入れて、彼の頭に敷いてあげて、しばらくすると、ようやく柚木くんは眠りについた。


『…あの、お母さん?…あのね今日も遅くなるから…うん…じゃあね』


早く熱よ下がれッ!…

そう願いながら、彼を見守っていた。

柚木くん、心配しないで、熱が下がるまで一緒にいるから…


…入学式の時のことを思い出した。

あの時と逆になっちゃったね…

今度は私の番だよ、治るまでずっと一緒にいてあげるからね…



それから数時間経ち、夜になると柚木くんの顔色はもとに戻って、寝顔も気持ち良さそうに見える。


綺麗な寝顔…

見ていたら吸い込まれそうになって、知らず知らずのうち、柚木くんの間近で見ていた。

こんなに近くで見るの初めて…

ずっと見てたいなぁ…

ハッ!…


おでこに手を添えてみると、熱くない!…

良かった、熱、下がったみたい…!?


「…愛原…」


柚木くんが目を覚ました。

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