見つめていたい
不安な恋
二時限目が終わり小休み時間になった。
窓際を見ると、柚木くんの席に、流星くんと数人の男子が集まっている。
そばに行きたいけど、行けない…
やっぱり遠目から眺めていることくらいしかできない。
…前と変わらないじゃない…
「胡桃?…付き合って!…」
「あ…うん、いいよ」
休み時間、朱音に頼まれて付き合う事に。
ひとつ結びを直していると、隣のクラスのみきぴょん(吉高美希)がドアを開けて出てきた。
「愛原さん?」
「みきぴょん…いまね、朱音が…」
朱音と恵美の中学の頃のお友達だ、一度、4人で話したことがあったので知っていた。
ちょうどその時、朱音も出て来て3人でおしゃべりが始まった。
「カレシ、どうなの?」
「…まぁ…ぼちぼち、今、ちょっと距離を置いてるんだぁ…」
「距離!?、ケンカ?」
「そうゆーのじゃなくて…ちょっと、戸惑いがあって…」
「戸惑い?」
「…ここじゃ話せないよ…聞きたい?」
「うん、聞きたい!」
「場所は…中庭の…」
「じゃあ、いつものとこで…胡桃もいい?」
「…いいよ、愛原さんて真面目そうだし、朱音の親友だから、もち、OKだよ」
「あ、ありがとう、みきぴょん…」
「どういたしまして!それより、朱音から聞いたよ、愛原さんてすごいね!」
「すごい?」
「またまた~…彼!柚木くんのこと!…おとなしそうな顔して、やっるう!!いい返事、もらうといいね!」
「…あ、ありがと…」
…もう返事はもらっている…
みんなに嘘をついているようで…
後ろめたさを感じてしまう