見つめていたい
「…じつは今朝…最終便で柚木くんと一緒になったの、バスを降りて、ふたりで歩いていたら…柚木くんから、告白されて…」
『えーーーーーッ!!!』
朱音、恵美、みきぴょんの3人が一斉に叫ぶと、その黄色い声を聞いた生徒達の視線が、私達のいるベンチに集中された。
「ちょっと胡桃!?」
朱音は突然、私のおでこに手の平を当てた。
「柚木くんの風邪なら治ったから、うつってないと思う…」
「……って…そーゆーことじゃなくて、胡桃!それって、本当!!」
「うん、そうだよ、今でも夢みたいだけど」
そこへ、美沙ちゃんと紗穂が購買部から戻ってきた。
「ハァハァ…フゥ …やっとついた…走ったから疲れたよ~!」
ふたりは息を切らして朱音達のもとへ、すると何気なく紗穂が後ろを振り返った。
「柚木くん?」