見つめていたい
今なら誰もいないし…
「かずまくん?」
「うん?」
「聞きたいことがあるの」
「いいけど、なに?」
「かずまくんが、鷹松中にいた時のこと…知りたい!」
ーーー
鷹中にいた頃は、まだ渡部一真の名前で、家族3人アパート暮らしだった。
学校からもわりと近いから、頻繁に友達が出入りしていたかなあ
中でも仲が良かったのは、中1からクラスが一緒だった、小宮駿、あいつが始めに…胡桃の話をしだしたんだ。
「あー!プチャキのこみやんね」
「!…懐かしいな、それ…ははは…それでさ…」
夏休みの時、しゅんと他に…女の子ふたりで、隅田川の花火大会に行ったんだ。
!?…
「女の子ふたり?」
「べ…別に、彼女でも何でもないから……勝手にあいつらがついて来たたけで…」
「そうよね、いつもモテモテだったもんね、かずまくんは…」
「くるみ…」
かずまくん…ちょっと動揺してるのかな?手に汗かいてる…
「それで?」
花火を見てたら連れの…カノン(富永花音)が急にお腹が痛いって言いだして、トイレを探しに一緒について行ったんだ。
「ふ~ん…富永さんか!…メイクしていた子でしょ?」
「あ、ああ…たしかに…」
ようやく落ち着いたと思ったら、帰りに屋台のかき氷食べたいとか言い出して…
『ねぇかずまくん、あたしかき氷たべた~い!』
『お腹こわしてんのに…大丈夫なのか?』
『だって、かずまくんと一緒に食べたいんだもん』
『はぁ?…じゃあ…』
『ありがとう!半分あげる~』
『俺は別に買うから…』
『いいの!これで!』
『?…』
『ふたりで食べると美味しいね!』
『なんだよ、割り込んでくんなよ!』
『いーじゃない、かずま~』
(こんなこと、くるみには言えないよな…)
買ってあげたんだ、ちょうどそこに、しゅん達も来てさ、みんなで食べていたら…
俺たちの前を家族ずれが近寄って来て、同じ、かき氷を、その子が父親におねだりしてた様子が見えて…青い感じの浴衣に2つに結んだ髪に確か…大きなピンクの花のシュシュをつけていた子だったんだ。
…私も中学の時は2つ結びで…学校以外はお花のシュシュだった…