見つめていたい
最初はさ、別に気にも止めないで、しゅん達とかき氷食べてたんだ…
「ひぃ~冷てぇッー!…ん?…なぁ、かずま?」
「なんだよ」
「あの子、かわいくない?」
しゅんが指をさす方を見ると、さっきの家族連れのあの浴衣を着た子だったんだ…
「ん?…もしかして、青い浴衣の?」
「なんだ、かずまも見てたんだ、めっちゃかわいいよな!」
「コラッしゅん!誰がかわいいって?」
「なんでもねーよ…」
…確かに可愛かった…
小さくて、まだ小学生くらいの子だったけど、輝いた瞳に小さい鼻、それに、小さな口を尖らせて…
「ねーおとーさん、あれたべたーい!」
おねだりしている姿を見て、そう思ったんだ。
「かずまくんも、何ボケっと見てんの?…ん?
あの子…鷹中の子じゃない?…名前なんなっけかなぁ…」
…俺たちと同じ!?中学生!?なのか?…
「あ!思いだした!確かクルミ!って名前の子、3組だったかなぁ…」
「ふ~ん…クルミちゃんね…」
「ねぇシュンそれがなに?」
「何でもねーよ…」
その時初めて、くるみを知ったんだ。