見つめていたい
「私、覚えてるよ、中1で花火見に行った時のこと、けど、そこにかずまくんがいたの、全然気がつかなかった…」
「だろうな、だってくるみ、あの時、小学生みたいにおねだりしていたから…かき氷食べたいよ~ってさ」
「しょ、小学生ッ!?…そんなに幼く見えた!?」
「まあな…今も変わらないけど…」
「なッ!なによ!もう、ひどい、一応高校生なんだからね!かずまくんの、意地悪!」
「ははは…ううん、ごめん、けど、くるみの怒った顔、初めて見たよ…可愛いよ…」
「へぇ!?…かわ…かずまくん…」
かわいいって言われた…かずまくんに…
初めて可愛いって!
かずまくんとの距離が、また近づいた気がして。
無意識に繋いでいた手を離し、かずまくんの腕に絡めて、寄り添ってしまった。