見つめていたい
駅の時計を見たら【 5:10 】だ!
今から帰っても、7時 に家に着くのはギリギリだろう
帰りたくないな…
かずまくんの横顔をチラッと覗く。
かずまくんも見ていた。
あ…
相変わらず顔が熱くなる。
「まだ…帰りたくない…」
言うつもりじゃなかったのに、ポロって言ってしまった。
私の手を握るかずまくんの手に、ギュッとちからが入る。
「ずっと、一緒にいたい…」
その言葉を聞いたかずまくんは、人目も気にせず、私を抱きしめた、そして
「一緒…胡桃と…」
かずまくんも?
嬉しい…けど…そんなこと言われたらよけい、離れたくなくなるよ
「時間がなくなる…」
「やだ…」
まだ、こうしていたい…
ずっと、ずっと…
かずまくんと、ずっと…
かずまくんは私をキツく抱きしめてくれた。
「胡桃?」
「ん…?」
「今度の休み、デートしよう!」
デート…
「迎えに行くから」
私がうなずくと…泣きそうな顔から、急に笑顔になっただろう私を見たかずまくん
「まったく…子供みたいなんだから…」
「…だって…」
足どりも軽やかに、私はホームへ向かった。