ヴァンパイアの花嫁
「用があるのなら呼んであげよう」


立っていたレオンはシェリルの前でかがむと目線を同じにする。


その顔には先ほどまでの不機嫌さは無くなっていた。


「え……っと……」


ここにいたくなくてアメリアの所へ行くと言ったのだが、用事を聞かれて言葉に詰まる。


そんなふたりをエミリオは興味津々に見ていた。


こんなに優しい口調のレオンを初めて見る。


３００年近く友人でいるのに初めてだ。


じっと見ているとレオンが口元に笑みを浮かべた。


嘘だろ……。


蕩けるような笑みを浮かべるレオンにエミリオは眩暈を覚えた。


戸惑う表情の少女の髪をレオンは髪を梳いている。


少女は人前で髪を梳かれ、恥ずかしそうに頬をピンク色に染めていた。








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