ヴァンパイアの花嫁
< 何も感じないのか? >


その声にシェリルはコクッと頷く。


痛みは感じられない。


やはり歩けないのだろうか。


< そうか。では、首を刺すがいい >


完全に声に操られているシェリルは自分の首に向けてナイフを振り上げた。


バタン!


「シェリル様!!!」


アメリアが叫ぶ。


その声にナイフを持つ手がピクッと震えた。


そして虚ろな瞳でアメリアを見る。


「なんてことを!」


アメリアが目に見えぬ速さでシェリルの持っていたナイフを取り上げ床に捨てた。



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