ヴァンパイアの花嫁
「レ……オン……様?」


いつになくレオンにじっと見つめられ、シェリルは視線を逸らせない。


「……嫌なら口づけはしない」


この間のように嫌がられてはかなわない。


色恋沙汰に慣れているはずのレオンはそう言っていた。


シェリルは面食らった顔になったが、すぐに頬を赤らませた。


そしてかぶりを振る。


「いや……じゃ……ないです……」


レオンは妖しく微笑むと、シェリルのピンク色の唇にキスを落とした。


シェリルの腕がレオンの首に回る。


触れるだけだったレオンの口づけは、すぐにシェリルの口腔を支配し始めた。


シェリルはこのまま息が止まってしまうのかと思うほどのキス。


レオンの唇が離れた時、シェリルの息は上がっていた。


苦しそうにあえぐシェリルを見て、レオンは心の中に暖かいものが芽生えた。




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