ヴァンパイアの花嫁
「ナイフで刺したことは屋敷の者しか知らない」


レオンの金色の瞳が一瞬で紅く染まる。


立ち上がると父親に近づく。


今にもレオンの怒りが爆発し実の父を殺しかねない怒りを秘めていた。


「貴方ですね?ティナを操ったのは」


「いや。わたしでない」


レオンのあまりの怒りにガナンシアは顔には出さないよう冷静を装う。


ヴァンパイアの世界は実力主義。


年老いたガナンシアとレオンでは力の差は見えている。


ガナンシアが王として君臨させているのは、レオンが人間界にいるからだ。


王の地位に固執しないレオンはヴァンパイアの王争いに興味は無いのだ。



< 268 / 487 >

この作品をシェア

pagetop