ヴァンパイアの花嫁
「では、誰ですか?貴方が命令してやらせたのは紛れも無い事実」


レオンの紅い目に射すくめられてガナンシアがたじろぐ。


「わたくしでございます」


そう言ったのは傍にいたタイラー。


「お前か……」


レオンがタイラーを凍りつくような瞳で睨んだ。


その途端にタイラーの身体は自由が利かなくなる。


「レオン、止めるんだ。タイラーはわたしに命令されてやったことだ」


「ティナを殺そうとした」


「お前が人間界をいつまでも離れないからだ。あの娘に固執する必要もないだろうに?あの娘はヴァンパイアではない」


ガナンシアはぐったりと身体をイスに預けた。






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