ヴァンパイアの花嫁
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「ガナンシア様と何の話をしたんだい?」


エミリオが聞く。


「跡継ぎを作れと、いつものことだ」


レオンの言葉にうんざりした表情になった。


「だから帰ってしまったのか」


「指示されて作るものでもないだろう?」


「もちろんそうだ。だが適当に作るって言うのはどうだい?」


エミリオがそう言うと、レオンの瞳が冷たく光った。


その鋭い目つきに、エミリオは背筋に寒気が走る。


「……レオン、仕方が無いだろう?お前は王子だ」


レオンの視線に圧倒されながらエミリオは後を続けた。




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