ヴァンパイアの花嫁
「たくさん気に入ったのはあったか?」


「たくさんって……」


「あればあるほど困らないだろう?好きなのを選ぶんだ」


ドレスなどに縁のない生活を送っていたティナにはどのドレスがふさわしいかわからない。


ティナは小首を傾ける。


「自分が気にいった服を選べばいい。ここに出されたドレスのサイズはティナに合うものだよ」


レオンにそう言われ、ティナはもう一度ドレスの目を向けた。


「さあ、決められないのならここにあるドレスを全部もらおうか」


突然何を言い出すのかとティナは驚いてレオンを見た。


「い、いいえ。自分で選びます」


本当に全部買ってしまいそうでティナは慌てて言った。


レオンは本気だったのだが、ティナは選び始めてしまい残念に思った。


どのドレスもよく似合うだろうに。

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