ヴァンパイアの花嫁
あたしは誰なの?


どこで何をしていたの?


いくら考えても何も浮かばない。



「何をそんなに考えている?」


その声にハッとして彼を見た。


彼はいつの間にか少女のすぐそばに来て立っていた。


レオンの指がシェリルの眉根に触れる。


その指にビクつくシェリルにレオンは小さくため息を吐いた。


「何もしないと言っただろう? いつまでビクつく?」


「……ごめん……なさい」


無意識にビクついてしまった。


レオンの言葉に少女はしゅんとしてしまった。


肩を落とし俯くその姿は、なんとも可愛い。




< 30 / 487 >

この作品をシェア

pagetop