ヴァンパイアの花嫁
ティナを見ればレオンの肩に顔を埋めている。


「どうかされたのですか?」


アメリアの問いにティナが顔を上げた。


「イスから落ちてしまって……痛むけど、大丈夫……」


「いや少し腫れてきたようだ。氷水を」


歩きながらアメリアに指示をすると、心配そうな顔になった使い魔はいなくなった。


ベッドの上にティナを座らせると背中のファスナーを下ろそうとした。


「い、いやです……」


ティナは抵抗するように身をよじる。


「ティナ?」


レオンが片方の眉をあげて見つめる。


「だって……」


恥ずかしさが先にたつ。






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