ヴァンパイアの花嫁
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ティナは夜会へ行く支度を終えて居間でレオンを待っていた。


傍にいるアメリアとダーモッドもドレスアップしている。


そこへ仕度の終えたレオンが居間に入ってきた。


夜会服の下はひらひらと細かいドレープが美しいドレスシャツを身に着けており、その姿は優雅という言葉がしっくり合う。


「ティナ、とても似合っていてきれいだ」


ティナを見るとレオンは褒めた。


お世辞ではない。


コバルトブルーのシフォン素材のドレスはティナの空色の瞳をよりいっそう綺麗に輝かせている。


レオンに褒められたティナは困った顔になる。


レオンがいつも目にしている美女に比べれば自分は雲泥の差だと思っているせいだ。




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