ヴァンパイアの花嫁
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夜会から1ヶ月が経った。


何事も無くティナは平和に過ごしていた。


時折、エミリオが遊びに来て話し相手になってくれる。


レオンは午後はずっと執務室にこもってしまうが、それ以外は一緒にいてくれる。


そんな生活がティナは気に入っていた。



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今日はエミリオが遊びに来てくれている。


「レオンはまた執務室にこもっているの?」


エミリオにだいぶ慣れたティナはにっこり頷いた。


「はい。午後はだいたい執務室でお仕事をしています」


車イスを器用に動かし、エミリオに近づいてきた。


空色の瞳はきれいに澄み、淡いブロンドの髪も毎日のアメリアの手入れのおかげでつやつやに輝いていた。



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