ヴァンパイアの花嫁
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少しして居間に戻って来たレオンは、シェリルを見て口を開いた。


「そんな格好をしていると、どこかの姫君のように見えるな」


レースをたっぷり使ったドレスを着たシェリルは、ポカンと口を開けたままレオンを見た。


「こんな素敵なドレスを着れば、誰でもそう見えます……」


アメリアの手入れのおかげで、パサついていた淡いブロンドの髪は艶を取り戻していた。


爪もきれいに手入れをされ、女性ならばとても喜ぶ所なのだが、歩けなくなってしまったせいで少女の表情は硬かった。


目の前の食事も食欲がわかないのか、もともと食が細いのか進んでいない。


レオンはそんなシェリルをワイン片手に飲みながら見ていた。




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