ヴァンパイアの花嫁
「どうしたんだ?」


レオナルドの表情に心配になり、即座にレオンが聞く。


「レオン様……」


目の前の少女の内臓はひどく痛んでいた。


血液は心臓までめぐるが、血管が細すぎて少量の血が通ることしか出来ない。


そして肺、腎臓、肝臓、すべての内臓に傷を受けていた。


「ティナ様は何かひどい衝撃を身体に受けたことは?」


レオナルドが聞くとレオンは頷いた。


思い当たる節はある。


石畳に倒れていたティナは、魔法が使える父親に飛ばされてこの街へ来た。


空間を移動したティナに衝撃を受けないわけが無い。


そのせいで足の感覚が失われてしまった。


ただ、それだけかと思っていた……。


浅はかだった自分に苛立つ。



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