ヴァンパイアの花嫁
「レオン様?」


「ああ。起きていたんだね?」


レオンの心地よい声が聞こえた。


「はい。アメリアに寝るように言われたけど、なかなか眠れなくて……」


服を脱ぐ衣擦れの音が聞こえる。


「私が側にいる。ゆっくりねむるんだ。身体はどうだい?痛みは?」


「レオン様?お父様は?」


レオンが隣に滑り込むように入ってきた。


「大丈夫だ。それより君の身体は?」


「どこも痛くありません」


レオンは父親のことで大変なのに、自分のことで心配をかけたくなかった。


レオンはティナの華奢な肩を抱き寄せて眠るのを待った。


ティナの小さな寝息が聞こえ、レオンも目を閉じた。





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