ヴァンパイアの花嫁
「ティナ、私が君の血を飲んだら君は起き上がれなくなってしまう。馬鹿なことを言うんじゃない」


レオンはさっとティナの髪を戻した。


「レオンの為ならすぐに起き上がれなくてもいいの。たくさんじゃなかったら休めば身体は回復するんでしょ?」


にこっと微笑むティナにレオンが怖い顔になる。


「ティナ、よすんだ!今は君の具合が悪い。君の血を飲めるわけがない」


ティナはなぜこれほど血にこだわるのか。


「レオン……ごめんなさい……あたしレオンの力になりたかったの。だって今日はヴァンパイアの王様としてお披露目でしょう?疲れた顔をした王様なんて王様らしくないから」


ティナの想いにレオンは頬を手の甲で優しく撫でる。


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