ヴァンパイアの花嫁
「ダーモッド、いい加減にあきらめなさい」


アメリアが庭へ出て行くふたりの後を追おうとしたダーモッドに釘をさす。


ダーモッドは立ち止まったが、返事をしなかった。


「そのうちにあの娘は飽きられて放り出されるわ。人間はすぐに老いていくもの」


ダーモッドが落ち込んでいるのがわかり、アメリアは珍しく慰めの言葉を口にした。


そう……。


ご主人様があの娘に血を分け与えない限り、あの娘が若さを保てるはずはないのだから。


何の役にもたたないあのか弱き娘は、すぐに飽きられる。




< 44 / 487 >

この作品をシェア

pagetop