ヴァンパイアの花嫁
エミリオが生気を分けたおかげで数分後、レオンの意識が戻った。


ソファの上でレオンが起き上がるのを見たダーモッドが喜びの声を上げた。


「ご主人様っ!」


ダーモッドの声にアメリアとエミリオがレオンを見た。


「あぁ……良かった!レオン、目が覚めたんだね」


エミリオがホッとした様子で言う。


「ティナは!?」


立ち上がると足元はふらついたが、ティナの寝ているベッドに近づいた。


「落ち着いた。まだ目は覚めていないけどね。もう立派なヴァンパイアだよ」


「立派なヴァンパイアか……」


目を覚ましたら君はなんて言うのだろうか……?


私を恨むかもしれないな……。


レオンはティナの頬にかかった淡いブロンドの髪をそっと払った。





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