ヴァンパイアの花嫁
「うぅ……ん……」


ティナが頭を動かした。


「ティナ様!?」


アメリアがティナの顔を覗き込む。


アメリアの声でティナは瞼をゆっくり開けた。


ティナの瞳はまだ真紅のまま。


「ア……メリア……あたし……」


目を覚ましたティナは視線を彷徨わせた。


彷徨わせた先に目を留めたのはレオン。


レオンは枕もとの傍のイスに座っていた。


「レ……オン……」


どうしてそんな切ない目であたしを見ているの……?


「あたし……?」


眉根を寄せて思い出そうとする。


そうだ……あたし……カサンドラさんに血を吸われて……。




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