ヴァンパイアの花嫁
「ティナ、今はまだ仕方がないんだ。そのうちに前と変わらない容姿に戻る」


醜い……醜い……醜い……あたしはヴァンパイアになってしまった……。


レオンの手を払うとベッドに身を伏せて泣き始めた。


泣いても喉の渇きはいやされることはなかった。


余計に喉が渇く。


「ティナ……早く私の血を取り込め。そうすれば早く元の姿に戻る」


淡いブロンドの髪をゆっくり撫でるレオンの指。


ティナはそのレオンの指を払った。


払った時にティナの爪がレオンの手をかすめた。


じんわりとにじみ出る血。


「あっ……」


傷つけてしまって唖然とした顔になったティナにレオンは優しく微笑む。


「大丈夫だ。こんな傷はすぐに治る」


レオンの血の匂いが香りが漂う。


ティナの心臓がドキドキと暴れ始めた。




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