ヴァンパイアの花嫁
レオンは内心驚いていた。


よっぽど、南にいかなければ雪は降らない。


降らないなりにも、雪が何かを知っているはず。


シェリルは知らないらしい。


「降ればわかるが……寒い時に、雨の代わりに白い冷たいものが降るんだ」


こんな説明は不慣れだ。


シェリルはわかったように頷いた。


この少女は南の方から来たのか?


それともただ単に忘れただけなのか?


ゆっくりと走り始めた馬車。


シェリルは物珍しそうに窓から外を見始めた。


馬車が揺れるたびにシェリルの淡いブロンドの髪が揺れる。


そんなシェリルをレオンは黙って見ていた。



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