ヴァンパイアの花嫁

瀕死

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城に行ったレオンはいつになく困り果てていた。


毎日の舞踏会にはうんざりだ。


豪華な飾りのついたイスに座わり、足を組んだレオンはきらびやかなフロアーを見ていた。


この世界は人間界とほとんど同じ。


ダンスを楽しむもの、食事を楽しむもの、会話を楽しむもの。


ただ耳が尖がった女や獣のような男、小さな身体の召使が目につく。


レオンのように眉目秀麗な者はそれはごく少数。


むしろ醜い者の方が多く、どちらかと言えば人間界の方が目の保養にはなる。


人間界を離れてすでに20日。父王の執務を手伝わされ、夜は舞踏会。父王は毎回違う女をレオンに紹介する。


シェリルはどうしているか……。


動けないから退屈しているだろう。


ここへ来てから小さな少女のことを良く思い出す。


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