ヴァンパイアの花嫁
「人間の少女を拾ったと聞いたが？」


ヴァンパイアたちの面白みのない踊りを眺めているレオンにエミリオが言う。


「あぁ……」


「退屈しのぎか……」


レオンの素っ気なく適当な返事にエミリオは呟いた。


１００年前に亡くなったレオンの恋人シェリルをエミリオは知っている。


あれ以来、レオンが人間の女と付き合うのは栄養補給する時だけ。


シェリルが亡くなってからのレオンは人間界ともこちらの世界ともどっちつかずの生活をして父王をやきもきさせていた。


それが人間の少女を拾ったと聞いた。


退廃的な生活から抜け出したのかと、エミリオは思ったのだ。


しかし退屈しのぎに少女を拾ったのならその娘に対して、レオンはなんの感情もないのだろう。


残念だ……。




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