青春サイダー
ある日の土曜日
午前7時40分。土曜日の朝。

よく晴れていて、清々しい風が心地よい。

しかし私は、それとは対称的な憂鬱な気持ちを抱えて校門をくぐった。

今日は隔週の土曜授業の日だった。

せっかくの休日なのに、これでは全てが台無しである。

私の気持ちを表すような、重くて暗い足音が静かな廊下に響いた。


教室のドアを開けた。

朝早いので、クラスにはまだ3人の生徒しかいなかった。

そのうちの1人を横目に見ながら自分の席へ向かう。


深海(ふかみ)くん。


一重で切れ長の目。

繊細なラインを描く鼻。

端正な薄い唇。

黒縁眼鏡がよく似合う男の子。

彼はまるで、少女漫画の主人公と恋をする男の子のようにかっこよかった。


私は彼を目で追うことが多くなっていた。

< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop