緋色の勇者、暁の聖女

「……ごめん。でも、本当に分からないんだ」

「あたしも……ごめん。もっと考えてみる! 他にも何かあるかもしれないもんね!」

「うん……見つけよう、絶対に!」


 それは、もしかしたら無駄かもしれない。他に方法なんて無いのかもしれない。だけど、あきらめるのは嫌だった。

 やがて辺りが朝もやから太陽の光で明るくなってきた。あんなに生い茂っていた木々が少なくなると、岩山への道が目の前に伸びていた。
















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