Hey girls!調子はいかが?

瞳side


 病院のごはんは量が多い。さっき白井さんにしっかり食べなさいって言われたけど正直完食は無理だ。というか健康な時でもこの量を1食で食べきるのは無理だ。昔から食が細いと言われて育ってきたから私が少食なのは知っているけど、少食でなくてもこの量は無理なんじゃないの?と思ってしまう。成人男性のための量だったりして…。

 どうにもならないからある程度食べたらあとは晴とおしゃべりタイム。晴は幼馴染であり親友だし、しゃべり出したら止まらない。歯止めがきかず結局時間を忘れて結構はしゃいでしまったみたい。遠藤先生が鬼の形相で部屋に入ってきた。


「What are you doing!?」

「げ…。」


晴が思わず声をもらした。


「WHAT ARE YOU DOING, girls?」


強調されている…。


「琴美先生が英語で怒ってるときは本気で怒ってるよ…。」


晴が教えてくれた。いや、でもそんな情報あっても何の助けにもならなくない?


「Answer.」


やば、でもとりあえず無言は場が持たない…。


「We were talking.」

「Yeah, I know. But why do I have to get angry like this?」

「I’m sorry, I don’t know….」

「You guys are patients! You must take care of yourself! Why were you talking so loudly?」


なんとか話をつないではみたものの、単語がわからない。


「晴、ペイシェントって何?」

「私たちのこと指してるみたいだよね。」

「うん…。」


高校生に上がったばかりの私たちには圧倒的に英語のボキャブラリーが足りない。そんな私たちの様子を見て遠藤先生は我に返ったみたい。


「ごめん、かっとなりすぎたみたい。patientっていうのは患者って意味。君たちは入院して治療しているはずなのになんでそんなに大きな声出してたの。」


そんなこと言われても大きな声出してたかなんてわからない。晴と顔を見合わせて困惑する。


「廊下まで声聞こえてたよ。あの感じだと隣の部屋まで聞こえてるんじゃない?」

「え、それ本当…?」


晴が恐る恐る聞く。


「本当!君たち、本調子じゃないのに何考えてるの!ここは病院なの。修学旅行に来てるわけじゃないの!わかってるの!?」
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