Hey girls!調子はいかが?
遠藤先生を怒らせてしまった。うつむくしかできない。しばらくお叱りを受けてから晴と二人で
「ごめんなさい…。」
と誤った。
「次はないからね。」
「はい…。」
「よし、じゃあ夕方の回診だよ。」
遠藤先生の雰囲気から急に怒気が消えた。その変化に正直私たちは戸惑う。
「何?もっと怒ってほしいの?」
「いやいや、滅相もありません!」
晴が慌てて答えた。
「そう?じゃあはい、体温はかってね。調子にのってあれだけはしゃいじゃったからちょっと体調悪くなってるかもね?」
なんて意地悪い顔をして言う遠藤先生。現実になりそうで嫌だわ…。
体温計が鳴り、何とか今回も自分で取り出して先生に渡すと、
「あーあ、やっぱり。」
というつぶやきが聞こえてきた。
「二人ともちょっと熱あがってるじゃん…。自業自得なんだからね?」
なんとも恨めしそうな口調。もはや謝ることしかできない。というか私は怒られてからまともに遠藤先生の顔を見れていない…。
「じゃあ晴ちゃんから診るから瞳ちゃんはちょっと待ってて。」
「はい…。」
あーもうどうするよ。こうなったのは確かに自業自得。だけど、なんでかわからないけどさっきから小刻みに身体が震える。どうしちゃったのかな。どうしようもなく…
コワイ。
知らないうちに唇から血がでるくらいかみしめていた。
「次は瞳ちゃんの番ね。」
遠藤先生が回ってきた。気を取られ過ぎて晴の診察が終わっていたことに気づかなかった。
「じゃあ瞳ちゃん、胸の音聴くよー。白井さん、お願い。」
遠藤先生が白井さんに指示を出し、白井さんが私の服に手をかけた。…が、白井さんの手が服に触れたとたん、びくっとして防御の姿勢をとってしまった。
「瞳ちゃん。」
そう呼び掛ける遠藤先生の声が聞こえる。
「瞳ちゃん、こっち見て。私の目を見て。」
遠藤先生がそう呼び掛けるけど、私はどうしても怖くて遠藤先生に顔を向けることができなかった。