Hey girls!調子はいかが?

瞳side


晴と別れて家に入る。

晴、なにか気づいたんだろうな…。
私って顔に出やすいから。それになんてったって相手は晴だから…。

つまりは幼なじみに隠し事は出来ないってこと。

明日はそれとなく聞かれるかもしれない。その時は諦めよう、晴にはかなわないもん。晴は私のことよくわかってるから…。


まあそれは私も同じだけど。


とりあえず熱をはかってみる。見たら余計辛くなるけど見なかったら気になって逆に寝れないから…。

ピピピピッ。

38.6…。
ですよねぇ。でも9度なくてよかった。私の場合、熱って結構高くまで上がっちゃうから、熱があるときの8度台ならまだいいほう。


もう寝よう…。

着替えて横になる。
でも横になると咳が出てくるし息苦しさが増す。
苦しくて寝られない…。


いつだったか晴が、咳が出る時は少し体を起こして寝るとぐっすりは寝れないけど眠りにつくことは出来るって言ってたのを思い出して、枕を立てて背中に当てて、上半身を少し起こしたまま目を瞑る。


ああ、このままなら寝られそう…。
晴さまさまだね、晴ありがとう…。


そうぼんやりと思いながら私は眠りについていった。
プルルルップルルルッ。

電話の音で目が覚めた。


誰だろう…。


「はい、倉内です。」

「もしもし桜燐高校1年1組の担任をしております、田川です。」

「あ、こんにちは…。」

「瞳さんかな?」

「はい、そうです。」

「体調はどう?熱はかった?」

「はかりました…。」

「いくつだった?」

「……。」


私って嘘つくの本当に苦手。だから言いたくないと黙っちゃうの。


「その様子だとそこそこ高かったんでしょ。」

「……。」


うわっ、図星…。
そしてまた返事できなかった。


「瞳さん?」

「あ、もしもし。」

「ああ、よかった、繋がってるね。」

「はい。」

「あのね、次学校に来る時、保険証を持ってきて欲しいんだけど。」

「え、保険証?」

「そう。水谷晴さんにも言ってあるから2人で相談して保険証を持ってくる日を合わせたらいいと思うよ。」

「晴も?!いったいどうして…。」

「ふふっ。あなた達、同じような反応するね。仲が良いんだね〜。」

「えっと、仲は良いですけど、幼なじみなんで…。
いや、そうじゃなくて、いったいどうしてですか?」

「ちょっと今は言えないかな…。
保健室からそういう風に連絡があっただけだからさ。」

「そうですか、わかりました…。
じゃあ晴と相談しておきますね。」

「そうしてくれると助かる。じゃあおねがいね。お大事に。」

「ありがとうございます。」


とりあえず晴に電話しよう…。
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