Hey girls!調子はいかが?
看護師さんに問診票と体温計を渡された。
「これを記入してください。書きながらでいいのでお熱はかって、体温も書いてね。」
嫌だなぁ。
脇、緩くはさもーっと。
体温計を緩くはさみながら問診票を書き始めると、長谷部先生に腕を抑えられた。
「え?」
「バレバレー。ちゃんと挟まなきゃだめでしょ?」
長谷部先生はそう言ってニヤッと笑った。
なんでわかったんだろう。
「そんな気がしてたから。それにお母さんからも言われていたしね。」
ええー、お母さん、どうして言っちゃうかな?
私たちのやり取りを見ていた田川先生が晴の脇を抑えた。
「ああ!」
「あなたも…。」
「2人とも諦める事だね。」
「ええー!」「はーい…。」
不服そうな晴と諦めた私。
そうして鳴った体温計。見たくない。激しく見たくない。
そう思って取り出さなかったら長谷部先生が制服の中に手を突っ込んできて、体温計を抜き取られた。やられたぁ!
「これは体しんどかったでしょう…。」
「いいえ?」
うそつき。本当はしんどかった。
「正直に言っていいんだよ。だってこんなに熱あって辛くないなんて人いないと思うよ?」
そう言って私に体温計の表示を見せてきた。
39.8。
あちゃあー。それはごまかせない。
「すいません…。」
「謝ることじゃないから大丈夫。だけど、辛い時は辛いって言っていいんだよ。」
「はい…。」
そんなこと言えるわけないじゃん。
「とりあえず残りを書き上げちゃおっか。」
「はい。」
体温計なんて見たら余計にしんどくなるだけじゃん。
そう思いながら残りを記入した。